Population

人口変化とその影響を明らかにし、変化対応を支援するブログです。

ディズニーランドで5人に2人が高齢者

日本では凄まじい勢いで少子高齢化が進んでいます。どれくらいのペースかというと、次の図の通りです。





まずご覧いただきたいのが青い棒グラフ。15歳から64歳の生産年齢人口を表しています。生産年齢人口とは、働き手になる可能性のある人の数、つまり労働力の数ですね。日本では2005年から2055年の間に労働力が半減します。


労働力が半減するってトンデモナイことですよ。人口は国力であり、経済力の源泉です。工場で自動車を作るにしても、スタバでコーヒーを提供するにしても、一定の働き手が必要です。生産性や資本の伸びを無視すると、働き手が半分になるってことは日本の経済規模も半分になるってことを意味します。自分の国で生み出せる付加価値が減るってことは、他国で生み出された価値ある製品が買える量も減るってことです。ルイ・ヴィトンやバーバリーみたいなブランド品、美味しいお魚からiphoneみたいな携帯まで、海外製品の買える量が減ります。
防衛費や国際機関に使えるお金も減るので、北方領土はロシアのものに、尖閣諸島は中国のものになる可能性が高くなります。日本が稼いだお金を米国債に回していたために日米同盟が続いていた面もあるので、経済力が落ちると日米同盟も少し怪しいです。



★★



労働力の半減だけならまだいいです。ちょっと領土が取られて、海外製品の買える量が減る位だから。日本人もともと質素だったし。問題は高齢者の割合が20%から40%に倍増することです。図の赤い折れ線グラフですね。2050年、日本人は5人に2人が65歳以上の高齢者になります。


5人に2人が65歳以上って、日常生活に置き換えるとさらにトンデモナイことです。ディズニーランドに行く人の5人に2人が高齢者。キャストも5人に2人が高齢者。本当に夢の国なのか!?ジェットコースターなんて心臓に良くないので数が減ります。メリーゴーランドやコーヒーカップも転倒の可能性があるので廃止。お化け屋敷も危ないから廃止。タワーオブテラーなんてもってのほかです。開園時間は早くなります。朝6時です。


そんな冗談は別として、労働者が半分になり高齢者が倍増するとなると、社会保障制度は『高負担低福祉』しかできません。社会保障において負担をするのは基本的に労働者です。所得税、年金保険料、介護保険料、もろもろの形で払います。一方で社会保障を受ける高齢者の割合が2倍になるのだから、単純に考えて負担は2倍に、福祉水準は半分になるしかない。介護も深刻です。老老介護どころの話じゃないです。65歳の人はまだ若いとみなされ、介護をする側に回るかもしれない。現状の『低負担高福祉』の社会保障制度は、明らかに持続不可能です。


しかーし、この制度は改革できません。日本では50歳以上の人が実質的に投票権の半分以上を持っているからです。50歳以上の人にしてみたら、将来の社会保障制度のことより、自分が生きている間にどれくらい保障を受けられるかの方が大事です。改革できない証拠に、この間の選挙の各政党のマニフェストを見てみると、『高齢者に不利な政策』は一つもありません。政治家にとって一番大事なのは選挙であり、その選挙で50歳以上の人が半分以上占めているわけだから、そこに負担を強いる政策はやりにくいです。政策が高齢者寄りに向かっていることが、少子高齢化の最大の問題なのかもしれない。



★★★



一つ希望があるとすれば、日本以外の国も同じような少子高齢化を遅れて経験するってこと。今のうちに高齢化関連産業を日本で育てれば、その産業を少子高齢化が進む外国に展開できる可能性があります。ノウハウを集めて、労働力は現地の人を使えば、労働力減少と経済規模の低下を補える可能性があります。今のうちに高齢者向けのディズニーランドや、スターバックスや、ブランド品をたくさん作るのが最善です。


政策は投票権の問題がある以上、制度の完全破綻が見えるまで変わりません。高齢化関連産業の育成こそが、少子高齢化の深刻な日本が生きていく道だと思います。


*1グラフのデータは国立社会保障・人口問題研究所よりhttp://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/Popular/Popular2010.asp?chap=0

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