Population

人口変化とその影響を明らかにし、変化対応を支援するブログです。

人口減少は歴史的な転換点

日本の人口は2004年をピークに減少に転じました。出生数から死亡数を差し引いた自然増減数は、2009年に7万5000人減っています。日本の人口が約1億2000万人で、その内の7万5000人だから、減少したのは人口の約0.06%。今のところ大きな影響はなさそうです。将来についてはどうでしょうか。国立社会保障・人口問題研究所の中位推計データをグラフにしてみました。





このグラフを見て感想を持つとすれば次の4つのどれかだと思います。


(1)1900年以降の日本の人口って急に増えすぎだろ!
(2)2000年以降の日本の人口って急に減りすぎだろ!
(3)人口がピークの時代を経験できるなんてラッキー!
(4)このグラフって本当に正しいの!?


グラフが間違っていると思う方は、国立社会保障・人口問題研究所に問い合わせてください。



★★



このグラフが示す通り、これまで継続的な人口減少の時代はありませんでした。第二次世界大戦などの戦争、結核などの病気で一時的に人口が減ることはあったとしても、継続的かつ急激な人口減少なんて日本は一度も経験したことありません。歴史上に類のない未曾有の人口減少社会が、21世紀の日本ですでにスタートしています。



人口減少は歴史的な転換点です。なぜなら、これまであらゆる制度が人口増加を前提に考えられてきたからです。社会保障制度なんてその典型例で、あれは働き手の増加を前提に作られています。いま50〜60歳位の多くの人は、自分の親と同じように年金・医療・介護などの社会保障が受けられると考えていますが、これだけ人口が急減すると社会保障の支え手が減るため、想像以上に手薄なサポートしか受けられなくなると思います。少子高齢化と過疎化の進展で『限界集落』が問題となっていますが、これからは維持可能な市町村の方が珍しい時代になるかも知れません。



人口増加を前提とした社会から人口減少を前提とした社会への転換点に、今の日本はあると思います。国全体が制度の移行期に入る時代は、既存の階級や秩序など様々なものが壊れる可能性があります。『何が人口増加を前提に作られた制度なのか』を考えていくと、これから面白いんじゃないかなと思っています。