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Facebookは女の子と出会うためのウェブサイト

Facebookは世界中に5億人以上のユーザーを持つ世界最大のSNSです。その時価総額は約1兆6000億円とも言われており、Facebookは、京セラ、日立製作所、三井不動産などより大きい会社となりました。2011年1月には、映画「ソーシャル・ネットワーク」が全国公開となり、ハーバード大学在学中にFacebookを開設し、最年少の億万長者になっていく創設者マーク・ザッカーバーグの成功と、その裏に潜む友情や裏切り、法廷闘争などを描くそうです。ザッカーバーグの推定総資産額は約4000億円とのこと。25歳にして巨大企業を作り上げ、4000億円を手にし、ハーバード大学にも行き、一体彼が今後何を楽しみに生きていくのかが心配です。余計な心配ですね。


名実ともに成功したFacebookですが、このサイトができた“きっかけ”は何だったのでしょうか?気になって『Facebook*1』を読んでみたのですが、その中の記述によると、Facebookは女の子と出会うためのウェブサイトとして作られたそうです。ハーバード大学の女遊び大好きな男が、「モテたい!いい女の子と効率的に出会いたい!」という欲望のために、出会いのワンストップをコンセプトにしたサイトを作ろうとして、マーク・ザッカーバーグに声をかけたことがFacebook誕生のきっかけとなりました。当初のサイトの構想は、デートのためのセクション、出会いのセクション、という2つのセクションからなるものだったそうです。そのサイトを単なる出会い系で終わらせなかったのがザッカーバーグの凄いところですが、Facebookのプロフィール画面に「付き合っている人がいるかいないか」を表示する項目があるのは、昔の構想の名残です。


Facebookの著者は、「オンラインであっても、リアルであっても、大学内のソーシャルネットワークを動かす最大の要因がセックスである点は同じだろう。根本はセックス。」と論じています。ちょっと極論すぎる気もしますが、完全に否定できるわけでもなく、これがコミュニケーションを作るビジネスの必要条件であるようにも思えます。インターネットの発達とともに、コミュニケーション手段は次々と変化しており、やがてはFacebookから新しい手段に移行する日が来るでしょう。その時に、新しいコミュニケーションビジネスが成功するかどうかは、「異性と出会えるか」という要素が大きな鍵だと思います。


ところで、このような考えは高齢者関連ビジネスには全く当てはまりません。日本では今後40年間で65歳以上の単身世帯が急増するので、この単身世帯をつなぐコミュニケーションビジネスは相当な市場規模になると考えられるのですが、未だ成功している企業が出ていない状態です。なぜ成功しないかといえば、65歳以上の単身世帯がどのようなつながりを求めているのか、何を動機として行動しているのか、企業で働く人には見当もつかないからです。ビジネスの対象が高齢者でなければ、「異性と出会えるか」を軸として面白いサービスを展開すれば、ある程度顧客ニーズが満たせます。しかし、65歳以上の単身世帯の人が何を求めているかなんて、その年齢になったこともない人に分かるはずがありません。今後増加が見込まれる高齢者向けビジネスで成功するために、今後企業は高齢者を大量に雇うでしょう。なぜなら、高齢者向けマーケティングをするには、同じ立場の人間に働いてもらうのが一番だからです。


このことを裏返せば、高齢者関連ビジネスには、明らかに先行者利益が存在すると考えられます。高齢化関連産業は、65歳以上の高齢者がたくさんいて初めてマーケットがうまれます。一度マーケットが出来上がれば、そのマーケットに向けた商品やサービスを作るための高齢者向けマーケティングが発達し、高齢化関連産業でどうビジネスを展開したら良いかという経験効果が生まれます。この経験効果はバカにできません。日本企業が、1990年代から高齢化関連産業を必死で研究しているのに、未だビジネスとして上手くいっていないところをみると、この市場はかなり特殊な市場で参入障壁が高いと考えられます。日本は欧州に10年、アジアに15年も高齢化で先行しているので、今のうちに高齢者関連ビジネスのノウハウをつければ、今後高齢化が進む世界において、先行者利益を用いて有利にビジネスを展開できます。欧米企業は、日本にしか存在しない高齢化関連産業のノウハウを学ぶために、日本の市場を調査しなければならないわけです。そこでの最先端の文献は日本語であり、このことも参入障壁を高くする要素です。


若い世代を対象としたFacebookは「女の子と出会うため」が原点でした。高齢者を対象としたビジネスは何が原点となるのでしょうか。この答えを見つけられるか見つけられないかが、今後の日本のビジネスにおいて極めて重要だと思います。

*1:Facebook』ベン・メズリック著