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Population

人口変化とその影響を明らかにし、変化対応を支援するブログです。

国用統計(Statistics for nations)から個人用統計(Statistics for individuals)へ

人口にはいろいろな統計があります。出生率、離婚率、世帯数のような有名なものから、少し変わったところでは一人暮らし65 歳以上人口数まで。こうした統計の大半は国が作成しています。例えば、出生率と離婚率は厚生労働省が、世帯数と一人暮らし65 歳以上人口数は総務省が担当しています。

 

そして、統計をつくるのが国であるがゆえに、こうした統計はお国のためのものになりがちです。代表的なのは離婚率。下図の折れ線のように、国の統計で離婚率といえば粗離婚率(ある期間の離婚総数÷人口総数、crude divorce rate)を指します。

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出所:厚生労働省

 

ところが、平成24年の粗離婚率が1.87(平成24年に人口1000人当たり1.87人が離婚した)というデータは、ほとんど個人の役に立ちません。

 

個人にとって重要なのは、自分が結婚したときに離婚のリスクがどの程度あるのか、ということです。それを知るには、結婚継続率(ある年に結婚した人のうち、結婚を継続している人の割合)などの統計が必要なのですが、そうした統計を手に入れるのは非常に困難です。

 

つまり、統計が国用につくられているために、個人に必要な情報が手に入りません。

 

そのため、これからは個人のための統計(個人用統計)が必要だと思います。それは、少子高齢化の議論は個人・企業・国の3つの立場で考えるで書いたように、個人・企業・国によって人口変化の利害が異なるためです。

 

高齢化ひとつとっても、個人にとっては寿命が延びて良いことですが、企業にとっては人件費が上昇したり、国にとっては社会保障費が増加したりと必ずしも良いことばかりではありません。

 

ただし、いくら個人用統計が必要と言っても、国がそのような統計を整備する可能性は低いし、個人が長期間データを集めるのは非現実的です。そのため、実際に個人用統計を作成する際には、国用統計(Statistics for nations)から個人用統計(Statistics for individuals)へと修正するのが現実的かと思います。